日本ラクトフェリン学会第12回学術集会

日本ラクトフェリン学会第12回学術集会

大会長挨拶

第12回日本ラクトフェリン学会学術集会
大会長  鈴木 靖志
(武庫川女子大学 食物栄養科学部 教授)

第12回日本ラクトフェリン学会学術集会のホームページにアクセスいただき、誠にありがとうございます。この度、歴史と伝統ある本学術集会を2026年10月24日(土)に武庫川女子大学において開催する運びとなり、大会長として一言ご挨拶申し上げます。

ラクトフェリンは、初乳中に極めて高濃度に含まれていることから、古くから新生児における栄養学的な重要性が想定されてきました。しかしながら、その明確な意義の全貌はいまだ完全には解明されておらず、多くの謎が残されているのが実情です。その一方で、ラクトフェリンが持つ驚くべき「多機能性」は、医学、歯学、薬学、農学など、多彩な専門分野の研究者を魅了し続けてきました。これまで国内外で精力的に研究が進められ、主には生体防御の観点からその生理化学的な機能が明らかにされ、広くコンセンサスが得られてきたことは周知の事実です。
この分子の本質を見極める上で鍵となるのが、多くの成分との間に見られる多彩な「相互作用」です。ラクトフェリンが発揮する多様な機能は、様々な成分と相互に作用することを起点にしています。だからこそ、その一つ一つの相互作用を丁寧に紐解いていく着実なアプローチこそが、この多機能性タンパク質の本質に迫る唯一の道であると考えています。
そこで、本学術集会では、ラクトフェリンの本来の特性である「鉄との結合性」を一つの大きな糸口として捉え、近年注目を集める細胞死のメカニズム「フェロトーシス」に着目いたしました。メインテーマを「鉄・フェロトーシスが拓く、美と健康の科学」と掲げ、ラクトフェリンがどのようにフェロトーシス制御に関与しうるのか、その最先端の可能性を多くの参加者の皆様と共有し、肌で感じていただきたいと考えております。
さらに、本集会では一歩踏み込み、食品成分としての「機能性」と「安全性」という、実用化において不可欠な二つの視点からも議論を深めます。改めてラクトフェリンが置かれた現在のポジションを見つめ直すことは、サブテーマである「〜ラクトフェリン研究の深化と拡張〜」の通り、今後私たちが進むべきパラダイムを今一度再確認する極めて重要な機会となるはずです。

今回の舞台となる武庫川女子大学は、伝統的な白壁の酒蔵が並ぶ「灘五郷・西宮」に位置しています。伝統の街で最新のサイエンスを語り合う本大会が、皆様にとって新たなインスピレーションの場、そして有意義な情報交換の場となることを切に願っております。

全国からの多くの皆様のご参加を、実行委員会一同、心よりお待ち申し上げております。

 

Copyright (C) Japanese Association for Lactoferrin. All Rights Reserved.