発表についてのご案内

大会長挨拶
日本ラクトフェリン学会第7回学術集会・2016年度臨床ラクトフェリン研究会合同大会開催にあたって

玉置 幸道
朝日大学歯学部 口腔機能修復学講座 歯科理工学分野 教授

わたしとラクトフェリンとの出会いはいまから10年ほど前に遡りますが、当時の非常勤講師の先生からラクトフェリンって知っているか?と尋ねられたことがキッカケでありました。よく調べてみたところ医療系でも腫瘍、肝炎やエイズ等で高い評価を得ていることを知り、歯科医療でも何か役に立つのではとの観点から、徐々に関わりを強めるようになりました。ラクトフェリンについては(株)NRLファーマの故・安藤邦雄博士からいろいろなことを教えていただき、歯科の中でも重度歯周病に代表される難治慢性疾患や各種炎症への適用、ドライマウスや口臭の改善など幅広く試みてきました。
今までに4回ほど「臨床ラクトフェリンシンポジウム」と称した講演会を開催し、専門に研究をしておられる先生方からラクトフェリンの生体との関わりを解説していただくとともに、臨床の症例に向けての活用方法や効果などを紹介してきました。シンポジウム開催を通して多くの先生方と知り合うことができ、今回このような合同開催という場を設けていただける運びとなりました。合同大会ですので特別講演にはシンガポールの歯科医Dr.Reginaldに講演を依頼し、またシンポジウムでは医療系の大きなテーマでもある超高齢社会を題材にして、老齢による生理的レスポンスの低下に対するラクトフェリンへの期待で討論をしていきたいと考えています。
最後になりましたが、第7回学術大会に向けては臨床ラクトフェリンシンポジウムのメンバー一同とともに、精一杯の準備を致す所存でございます。どうか盛会となるように多くのご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

理事長挨拶
臨床ラクトフェリン研究会との合同大会を開催するにあたって

島﨑 敬一
日本ラクトフェリン学会理事長

ラクトフェリンが生体内で多岐にわたる働きを示すことが認識されてきたために、健康の維持・増進に対する有効性について期待と関心が高まっております。そのような時に、ラクトフェリンの臨床応用の一翼を担っている臨床ラクトフェリン研究会と合同で研究集会を開催することとなりました。
近年はラクトフェリンの体内動態の解明からさらに細胞内挙動について詳細に研究されるようになってきました。研究手段の進展および情報関連技術の発展も後押しとなって、基礎と応用両面で幅広い知見が集積されつつあります。このような状況のもと、ラクトフェリンの生物学的機能の多様性と広い応用の可能性が、何故そうなのかを追究する動機となり、さらに基礎的な研究成果が応用研究を加速させるという好ましい循環が生じていると考えています。
そこで、さまざまな分野でラクトフェリンに関心を持っている研究者に情報交換のための共通の場を提供すること、さらにラクトフェリンに関する正確な情報・知見を発信・提供することが必要と考えて、2004年にラクトフェリンフォーラムを立ち上げました。これが2010年の日本ラクトフェリン学会設立の基盤となりました。現在は「ラクトフェリン」というキーワードで結ばれた専門分野の異なる研究者同士が各々の成果を発表し、討論し、かつ情報を共有するだけではなく、ラクトフェリンに関心のある企業などとも広く情報や知識を交換できる場として定着してきております。
今回は2つの研究団体による合同大会であることから、ラクトフェリンに関心を持つ全ての関係者に大きなインパクトを与える大会になるであろうと期待しております。